ブルーオーシャン戦略で、会社を変える! <第1回>
みなさん、こんにちは。 戦略プランナーの川崎です。私は日頃、グローバル企業からベンチャー企業に至るまで、多くの企業の事業戦略、マーケティング戦略計画等の立案や戦略系研修の企画、戦略領域のワークショップの指導などを行っています。 そのような日常の中で、日々感じていることを、ありのままお伝えしていきたい、と思います。
さてみなさんは、「戦略」に関心をお持ちですか? ・・・良く考えると、このサイトの閲読者の方は、経営者の方も多かったですね。 大変失礼しました。 関心の無い方などおられませんね。 それでは聞き方を変えて、以下の人のうち、お名前を聞いたことのある人はいらっしゃいますか?
@マイケル・E・ポーター
Aイゴール・アンゾフ
Bフィリップ・コトラー
CW・チャン・キム
Dピーター・ドラッカー
・・ ビジネスパーソンであれば、少なくとも「ドラッカー」のお名前はご存知だと思います。 言わずとしれた「マネジメント」の大家です。 ただ、@からCの人については、ご存知ない人のほうが多いのではないでしょうか?
しかし欧米では、@のポーター教授からCのキム教授まで全員が、ドラッカー教授に負けず劣らず、「戦略の権威」として広く知られている存在です。
中でも、2005年に発売された「ブルーオーシャン戦略 競争のない世界を創造する」の著者W・チャン・キム教授とモボルニュ氏については、欧米での評価は極めて高く、「最も影響のあるビジネス思想家」のトップ10に選出されています。
彼らが体系化し、2004年にハーバード・ビジネスレビューで発表したのが「ブルーオーシャン戦略」・・ 未開拓市場で成功するための戦略手法を体系化した画期的な戦略論です。 この「ブルーオーシャン戦略」をいち早く全社導入した韓国のサムスン電子やLG電子、中国のハイアールなどは、グローバル市場において目覚しい成果を上げましたが、一方で日本の電機メーカーなどは、極めて厳しい立場に立たされる結果となりました。
このように「ブルーオーシャン戦略」をうまく組織に導入し、迅速に実践した場合、その企業は「大化けする可能性」があります。
実際に私が指導した教育系企業の1社は、ブルーオーシャン領域で事業を立ち上げ、10年後の現在、全くのゼロからスタートした新規事業が売上50億円、営業利益10億円規模にまで達していますし、またあるIT系ベンチャー企業は、約5年前に社員数3人、年商2000万円からスタートしましたが、5年後の現在、社員数約45人、売上40億円規模にまで成長しています。 この2社は、既存の市場の中での「差別化戦略」をあえてとらず、未開拓同然の市場にいち早く参入し、潜在需要を顕在化することで市場を創りながら、自らも成長を実現した典型的な企業なのです。
「それはたまたま、その2社が成長する業界にいたからではないの?」と聞かれる方が時々おられますが、他の企業も同じように急成長を遂げているなら、ご指摘の通りでしょう。 しかし、他社はそれほど伸びていないとしたら・・ それは、急成長した企業が採用した戦略が正しかったということであり、またそれを迅速にかつ着実に実行したからに他なりません。
私の経験上、「ブルーオーシャン」は、あらゆる業界に必ず存在します。 顧客の潜在ニーズをもとに市場の境界線を引き直し、全く新たな価値(バリュー)を作り出し、競争のルールを変える・・ これを行うためには、経営者や経営幹部は自らの「成功経験」を一旦リセットし、ゼロベースで自社製品やビジネスモデル、市場環境などを捉え直す必要があります。 これにより、初めて「ブルーオーシャン」が見えてくるのです。
では、どうやって「ブルーオーシャン戦略」の導入を進めていけばよいのか? それについては、次回から具体的にお話をしていきます。
(続く)
経営理論やフレームワークを実践できるように、私の体験や事例等を紹介しながら、わかりやすくお伝えすることに注力し、ご評価をいただいています。