特許情報を活用して自社技術のポジション・強みを客観的に知る

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特許情報を活用して自社技術のポジション・強みを客観的に知る

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特許情報を活用して自社技術のポジション・強みを客観的に知る

 

前回のブログ「特許における分類を当てはめると強みが客観的に見えてくる」と書きました。そして強みとともに「自社の技術が属する分野」について概要を知ることができます。ある会社の事例をあげると、以下のようになります。

 

ある会社(A社)は金型メーカーですが、超塑性という技術を持っていました。超塑性とは、熱と時間をかけて金属(アルミとかチタン)をゆっくり変形させることで、熱間プレスでもできない複雑な形状に金属を加工させる技術です。

 

この技術は海外ではよく使われているのですが、日本ではほとんど活用されていない、とA社の社長は言ってました。

 

ただ、研究は長いことされていて、某金属素材メーカーとA社は共同で長いこと研究開発をしていました。
ところが、中々利益が出ないせいか某金属素材メーカーは研究開発の中止を決定したのです。

 

困ったのはA社です。それまで、某金属素材メーカーに対して年に数億円程度の売上があったのがゼロになってしまうのですから。そこで、別途用途展開をしようと考えたのです。そこで、特許分類を用いた調査を行うこととなりました。

 

この「超塑性」という技術を「特許分類」当てはめると、「鍛造」、「粉末冶金」、「圧接、拡散接合」、「防振装置」、「深絞り等による金属の成形」など、様々な分野があることがわかりました。

 

ここで、特にA社と関わりが深い「深絞り等による金属の成形」について詳しく見てみると、この分野では材料として用いられているのが、ステンレス鋼、Al系素材、Mg系素材、Ti系素材でした。このなかで、A社が得意としているのがAl系素材です。

 

用途としては、自動車部材(二輪車用を含む)、電気電子装置、家電部材、家庭用設備(照明器具、キッチンシンク等)、容器、など多岐にわたっていました。

 

このように、A社の超塑性という技術が属する技術分野について特許分類を簡単に見ただけでも、この技術が用いられそうな材料や用途について知ることができます。もっと深く調査を進めれば、顧客の情報、技術的な目的・課題、加工技術など様々な情報を得ることができます。

 

もちろん、特許調査だけですぐに使える分野が見つかることは稀です。実際には、マーケティング調査などを組み合わせながら適切な分野を絞り込んでいく必要があります。しかし、まったく先の見えない状況において手探りで進んでいくことに比べると、明確な指標を持ちながら調査ができる分だけ、短時間で適切な分野が見出せる可能性が格段に向上するのです。

 

 

著者

座間

座間 正信 / 株式会社アイピーアトモス
企業の強み、市場の機会、アイデアに関する特許情報、市場における類似商品、今後の成長分野など幅広い視点から儲かる商品開発のアドバイス

 

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