住友金属が新日鐵に吸収合併された理由を3Cのフレームワークで分析
少し古い話ですが、住友金属グループに長い間籍を置いていた者として、一度整理したいと思っていた案件です。
クリティカル・シンキングのイシュー⇒枠組み⇒初期仮説でまとめてみました。厳密な意味でのロジックにはなっていません。
新日鐵は住金・神戸製鋼の3社で株の持ち合いをしていたので、Co-Workerとも言えますが、下記ではCompetitorとしました。
¶ イシュー
―住友金属が新日鐵に吸収合併されるまで落ち込んだのはなぜか?
¶ 枠組み(3Cのフレームワーク)
【Company】
@ヒト
―トップに物申す人材を排除し、上司の機嫌をとる社員ばかりを優遇してこなかったか?
⇒仮説
・20世紀型のアメリカに追いつけ追い越せという考え方から脱皮できないトップばかりだったのであろう。
・チームワークばかりを重視し、尖った人材を育てられなかったのであろう。
Aモノ(ブランド)
―住友というブランドだけで経営ができるという勘違いをし、いざというときにはグループが助けてくれるという甘えがなかったか?
⇒仮説
・歴史の上に胡坐をかいていたのであろう。
・21世紀のグローバル社会に適応できなかったのであろう。
(世界は日本国内のような高級品は求めていない)
・「住友は不利を追わず」という言葉通り、ここぞという時の勝負ができなかったのであろう。
Bカネ
―カネの無駄遣いをしていたのではないか。
⇒仮説
・不必要な設備投資をしていたのだろう。
・賃金が高かったのであろう。
【Customer】
―シームレスパイプに重きを置きすぎていたのではないか?
⇒仮説
・リーマンショックの影響でシームレスパイプの採算が悪くなったのだろう。
・他の製品に競合と差別化できるものがなく、品ぞろえなど中途半端なものが多く、顧客からの信頼が得られなかったのであろう。
・結果、株価30円台まで落ち込んだのであろう。
【Competitor】
―新日鐵側の思惑があったのではないか?
⇒仮説
・アルセロール・ミタルの敵対的TOBを恐れ、負け組住金とのM&Aを狙っていたのだろう。
・世界6位まで落ちてしまったシェアを回復させたかったのだろう。
・住金のシームレスパイプ部門が欲しかったのであろう。
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