横田透の知恵の経営 No.13 知的資産の定量化指標を設定の仕方
みなさん、こんちは。
今回は、知的資産を実際に活用するために、定量化指標を設定していく方法についてみてきましよう。
実は、もともと、知的資産は、目に見えにくい、無形の強みですから、定量化指標(=数字で表すこと)をつけにくいんです。
でも、実際に活用していこうと思ったら、数字等の指標が必要ですね。
たとえば、「社員のモチベーションが高い!」という強み、それはどれくらい「高い」のか、その程度(レベル)が分からないと、どれくらいすごい強みなのか分かりませんよね?
また、金融機関への資金調達ツールとして、「知的資産経営報告書」を活用しようと考えている場合は、この定量化指標は必須事項になります。
この定量化指標が、提示している強みの信ぴょう性を高めるのです。
このように、知的資産に定量化指標を設定することで、「マネジメントで活用できる」、「対外的な信ぴょう性を高めることができる」ということにつながります。
そのため、この定量化指標のことを「経営のものさし」とも呼んでいます。
この「ものさし」がないと、強みを図ることもできないし、活かしていくこともできないですよね。
そこで、強みの裏付けとなる数字(ものさし)を探す作業が必要になります。
まず、加工技術などは、比較的、数字の裏付けを取りやすいです。
例えば、「加工精度が、0.5μm」という形で…。
一方、「営業センスがある」というたぐいになると、ズバリ、それを表す指標を見つけるのは難しいですね。
その場合、それを有するから実現できている内容(例えば、新規顧客数)や、それを得るために努力している過程を表す数値(従業員1人当たりの研修費)などを「代替指標」として用いることで、強みの裏付けを担保しましょう。
また、このことは、「顧客に提供する価値の根拠がどのようにできているか?」という問いに対する「実力を示す指標」、「その実現を支える指標」と言いかえることができます。
「実力を示す指標」とは、例えば、顧客満足度、新規顧客件数、品質改善率、クレーム件数などのことです。
一方、「その実現を支える指標」とは、例えば、顧客管理システム、生産管理システム、新規製品トライ件数、コミュニケーション回数、社員研修制度、技能検定資格者数などのことです。
強みの眺め方でお伝えした、強みの「作り方」、「保有」、「使い方」の流れを思い出してください。
この流れに沿って、示したい、または、マネジメントをしたい強みの裏付けとなる数字を探してみましょう。
ここで、本当に意味のある定量化指標を見つけ、設定することができることが、知的資産経営を成功させる肝ですので、ちょっと難しい作業にはなりますが、ここががんばりどころです!
次回は、強みの裏付けとなる定量化指標を活かしていくため、将来の価値創造ストーリーの作成についてみていきます。
中小企業での現場経験がある中小企業診断士です!
「無形の強み」を見える化し、活用した経営支援を得意とします!
【お問い合わせ】
つくば未来経営コンサルティング事務所
代表 中小企業診断士 横田 透
連絡先:090−4078−8137
メール:sppn8xp9@rice.ocn.ne.jp
ホームページ: http://www.miraitsukuri.com
著書:
こちらもお勧め