事業再構築補助金の採択ポイント その3
前回のブログでは「実現可能性」を高めるために「既存のビジネスでつちかった経験、ノウハウ」などを示すことが重要だと述べました。これと関連して「具体的な商品・顧客」と「他社との差別化」を示すことも大事です。
「具体的な商品」とは、要するに何を作るのかということです。当たり前ですが具体的な商品がイメージできていなければ作ることができません。「なんとなくこんな感じのもの」といった漠然とした内容では審査員が理解できず、採点が低くなってしまいます。(サービスも同じく具体的なサービス内容を示すことが重要です)
できれば、商品そのものだけではなく実際の使用例なども示した方がいいでしょう。新商品が何に使用され、その結果どのような効果を生むのかを具体例を図示するのです。文章を書くと伝わりづらいのでできる限り図で示すことで明確にするのです。
過去の例ですが、一度不採択になった申請書に具体的な使用例を示して再提出しただけで採択された経験があります。もちろん、具体例を示しただけで採択されるわけではありませんが、開発する商品の具体性は重要要因と言えます。
また、「具体的な顧客」も記載する必要があります。こういう商品を開発したからなんとなく売れていくだろうというような曖昧な表現だと、審査員は「本当に売れるのかな?」と疑問に思います。疑問に思わせると採点が低くなります。ここでは、「きちんと市場と具体的な顧客をつかんでいる」ことを示すことで実現可能性が高い事業計画だと思わせなければなりません。
意外に見落としがちなのが「他社との差別化」です。新商品は他社の類似品と比べてどのような点で優れているかを示す必要があります。これが無いと、新しい商品は作ったはいいけど「他社よりも劣っているんじゃないの」と思われてしまいます。そうなると事業性が低く評価されます。
他社との差別化は様々な視点で、くどいくらい述べるのがちょうどいいのです。例えば「技術面として高精度加工技術」「生産面として量産化できる数量や短いリードタイム」「設備面として自社独自設計による特殊機械」などがあげられます。
また、営業面として「社長の豊富な人脈」「顧客との良好な関係」「長年のビジネス経験による市場における高い知名度」などがあります。
ともかく「当社は他社よりも多くの点で優れているので、いい商品を作れるし得ることもできる」と強調することが大切なのです。
以上
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講師
座間 正信 / 株式会社アイピーアトモス
企業の強み、市場の機会、アイデアに関する特許情報、市場における類似商品、今後の成長分野など幅広い視点から儲かる商品開発のアドバイス