埼玉県羽生市。日本で最も暑い群馬県館林市のすぐ近くです。
そんな羽生市に工場を構えるのが「ハイキャスト社」。

「ハイキャスト」社は昨年創業100周年を迎え、今年(2017年)で101周年目という老舗鋳造メーカーです。
「鋳造」といえば、キツイ、汚い、危険といわゆる3K。職場は高齢のおじさん、おじいさんだらけ…。

というのが世間一般のイメージですが、この会社は違います。

20代、30代の若い人が多い。しかも、「この会社で働きたい!」と言って集まってくる人が後を絶たないそう。

3K職場の代表格である「鋳造メーカー」のはずなのに?

その秘密を探るべく、現場に取材に伺ってみると、
100年続く会社には、100年続く理由が【やっぱり】ありました。

 

東武鉄道「羽生駅」から3キロほど離れた小松台工業団地。
ハイキャスト社の工場はこの工業団地の一角にある。従業員は40名ほど。

ハイキャスト社の工場入口には、不思議な像が置かれていた。

(遊びゴコロ溢れる100周年記念像)

同社100周年記念に作った記念像とのこと。ユーモアに溢れるデザインにこの会社の遊びゴコロが見て取れる。

同社の現代表は5代目となる高橋健太郎氏。スマートで精力的な社長さんだ。

(五代目 高橋社長)


「僕はね、社員をモデルとした、鋳造業界をリードするモデル工場を作りたいんですよ」

そういって高橋社長はニコリと笑う。
社員をモデルにした工場?どういうことなんだろう。

「鋳造メーカーっていわゆる3Kですよね。キツイ、汚い、危険。そんな3Kなのに、あの会社の社員は何であんなにスゴイ元気なんだ?あそこの会社の社員を見に行ってみよう。そして、あそこが出来るんだからウチもできるんじゃないか?そう思ってもらいたい。
そうやって、元気な工場をふやしたい。業界全体を元気にしたい。」

真顔でスゴイことをさらりと言ってのける。
でもどうやったらそんなに社員が元気になるのだろう?
社長が元気だから?だろうか。

「社員が元気になるには、まず『仲が良い』ことが大前提なんです。『仲良し』最高です。社是でも「和」を掲げています。仲が良ければ何でも上手くいくわけではないけど、良い方がいいに決まっている。何よりも一緒に仕事していて『楽しい』でしょう?」

確かに人間関係は良好な方がいいに決まっているが、ここまで「仲良しが最高」と言い切る人は初めて出会った。

「仕事は辛いこともきついことも多い。でもだからつまらないってことではないはず。仲の良い職場で、本気で仕事の楽しさを追求する、そんな会社を目指してるのです」

高橋社長のビジョンと熱意は相当なものだ。
では実際に楽しく元気に働いているのだろうか?そこで、実際に現場で活躍している方々から、より具体的なお話を伺った。

■「社長!野球チーム作ろう!」

(石川さんが野球チームの発起人とのこと)

石川さんは15年前に当社に転職し、現在は、現場の統括をする大ベテランです。

-前職はどんな仕事をされていたのですか?

石川:今から15年前になりますが当時食品トレイメーカーに勤めていました。食品トレイメーカーということもあり夜勤が多かったのです。
当時は子供も小さかったので、家族のことを考えて、転職を決意しました。そこで自宅に近い、当社に入社することになりました。

-どうして食品トレイメーカーから鋳造メーカーに?

石川:全く未経験の仕事をやってみたかったのです。食品系のメーカーだったので、衛生環境がすごく厳しい。クリーンルームみたいな感じで、工場に入出する際には毎回手洗い、エアガン。ヒゲなんかも当然NGでしたね。

そうしたところから比べると当社は鋳物ですから、砂と鉄粉が舞う工場。全く違う世界で新鮮でした。

-その全く違う世界で働いてみたいと思ったきっかけは?

石川:やっぱりウチの社長じゃないでしょうか
社長がフランクで面白い方で、この社長の下で働いてみたいなと。

-なるほど…全く未経験で入社されたから最初は苦労されたのでは?

石川:思い出すと、私が入った頃はいろいろ酷くてですね。「作業標準」とかもありませんでしたから。高齢の職人さんばかりで、仕事のやり方は教えてくれなかったですね。
「見て覚えろ!」「勘でやれ!」みたいな。

-古い時代の職人さんですね。

石川:当時の苦労もあり、教育の大切さは身に染みました。そしてその苦労が今に生きています。新人にどう仕事を覚えてもらうか。研修の仕方とか。今では作業の標準化、マニュアルもしっかりと作っております。

-そういえば当社には野球チームがありましたね。社長が率先されて結成されたのですか?

社長:そういうわけではないのですよ。当時野球経験者の発起人が二人いて、「社長!野球チーム作りましょう」と。石川はその発起人の一人なんです。

-当時の話をぜひ聞かせてださい!
社長:もう12年前、2005年だったかな。彼ともう一人が、社内の野球経験者で野球チーム作ろうと言い出して。
石川:社長!野球チーム作りましょう!
社長:いや、ダメだろうと。人数も9人なんてとても集まらないだろうし。
石川:「作りましょうよ」「ダメ」というやり取りが何度かありまして、社長から「本気なら書面でもってこい」と言われたのです。それで私も「やってやろうじゃないか!」と思いまして。
社長:これが驚いたことに、当時社員が25人だったのですが、12人の手書きの署名を入れて石川が書面で持ってきたんですよ。その書面にチームを作る条件も入れてね。

【野球チーム設立の条件】
① 部費を給料から天引きする仕組みにしてほしい
② ユニホーム代は会社に負担して欲しい
③ チーム名に会社名「ハイキャスト」を入れたい

社長:まさか本当に持ってくるとは思わなかったもんなあ。当時、彼が書いてきた手書きの書面は今でも大事に保管していますよ(笑)。
石川:それで野球チームを作ったわけですが今度は社長が「俺も入れてくれ」と(笑)。
社長:今度は石川から「社長も一部員ですからね!会社関係ないですからね!」と(笑)。
私も経験者だったので、チーム発足当初、野球経験者は3人だけだったのですが、ピッチャー、キャッチャー、内野手と3人経験者がいれば試合になるものなんですね。
だんだん力を着けて市の野球連盟の大会に出場するようになりました。

―練習はどうされているのですか?

社長:月二回土曜、朝6時から練習しています。9時には終わって、家族サービスに影響がないようにしています(笑)。

来月12月10日にまた試合があります。ウチが所属している連盟の準決勝戦でして、これ勝てば決勝なのですが…社長が試合に参加できないのです。
社長:出張が入ってね。

-それは勝つしかないですね!社長を決勝に連れて行かないと!

-そういえば社内のイベントなどもやられているようですが?

社長:そうですね。年に5回は社員全員参加イベントがありますし。
11月が当社は決算期で、歓送迎会もあります。
野球部の飲みもありますし、職場グループでも飲みに行っているのではないかな。
私も酒は嫌いじゃないですから(笑)。

石川:私も結構飲む方なのですが、社長に比べたら全然ですから(笑)!
見た目スマートじゃないですかウチの社長。でも飲み始めると、どこに入るんだ?というくらいの酒豪です。
社長:そんなことはないよ!弱くなったよ(笑)!

-どんな人に一緒に仲間として働いてほしいですか?

石川:やっぱり前向きな人ですね。仕事は後からついてくるので。私も未経験でしたし。昔と違って今は新人研修制度もしっかりしたものがありますし、何よりホトケの石川がやさしく仕事教えます!

■大学院を卒業し、大手の内定を蹴って入社

(大手の内定を辞退して新卒入社したという榎本さん)

榎本さんは入社五年目。
千葉工大学院を卒業して、当社へ新卒で入社されたそうです。

-専攻はどんな勉強されていたのですか?

榎本:プロダクトデザインを専攻していました。ケータイとか文房具のデザインとかを勉強していました。手を使ってモノを作るのが好きだったのですね。

-当社に入社を決められたきっかけは?

社長:実はですね、彼は千葉県の某ハンバーガーショップのハンバーガーを入れるケースを作っているような、1000人規模の大手グループから内定を受けていたのに、それを蹴って当社に入社してくれたのです。
あれは嬉しかったなあ。
榎本:母親からは反対されましたが、反対を押し切って当社に入社しました。

-それはすごいですね。どこがポイントだったのですか?

榎本:最初、当社のHPをみて、社員が生き生きしてるなあと、そして社長がとても面白そうな人だったので、この社長に会ってみたいと思って、会社説明会に参加してみたのですよ。
榎本:そしたらすごく明るくてパワーのある人でびっくりしまして、そのままインターンに進みました。

-インターン?

社長:当社では会社説明会を僕がやっております。ただ、あまり会社の仕事内容の話はしない。だって、鋳物の話をしても面白くないでしょう。どちらかというと、僕がこの会社でやりたい理念の話をする。僕の話を聞いて、それでも当社に入りたい、という学生さんを1泊2日の当社のインターンにお招きするんです。

このインターン初日でバーベキューやるのですが、その時間は工場をストップして、社員全員参加してもらうんですよ。とにかく社員と触れ合ってもらう。

-コミュニケーションができるので、入社後もギャップなさそうですね。

社長:社員にとっても若い人たちと触れるのはいい刺激になるんですよ。
背伸びして、いい先輩であろうとするので。活気がでる。

榎本:インターンでは寸劇やるんですよ。この会社の10年後を作ろう。この会社の楽しい10年後の未来を演じてくださいって。

-寸劇って面白そうですね。榎本さんはどんなことやられたんですか?

榎本:えーと…。忘れちゃいました(笑)

社長:インターンを経て、彼の内定が決まって…その後、内定サプライズというのもやりましたね。

-内定サプライズですか?

社長:彼は千葉に下宿していたんですが、彼の下宿先に8:00に行ってピンポーン。内定おめでとう!と。

-ええ~~~~~~~~~っ(笑)

榎本:あれはビックリしましたよ。朝っぱらから誰かと思いました…。
社長:彼もジャージ姿でね。
榎本:親にその話をしたら「ヤバくないかその会社」って言われましたよ(笑)。

-スゴイ行動力としか言えません。

榎本:さらに続きがありまして、入社後に社長が僕の実家に挨拶に来たんですよ。

-どういうことですか?

社長:僕は入社後、皆さんの親御さんに挨拶に行くのですよ。ご子息を預かりますって。彼の実家は新潟市だったのですが、新潟まで行きました。

-え~~~っ(笑)!

榎本:父親が日本酒持ってきて、挨拶にきた社長に飲ませてしまって、
社長:本当は挨拶だけしてすぐに失礼しようと思っていたんですが、結局8:00に伺って…失礼したのが12:00になってしまったのかな?
榎本:確かそうでしたね。

-え~~~~~~~~~っ(笑)

榎本:親父も社長と飲むつもりだったんだと思います。日本酒用意してたくらいですからね(笑)。
社長:私も酒嫌いじゃないからね(笑)

■バーベキューは仕事の一部!

社長:当社ではバーベキューは2ヶ月に一度ほどやっております。午前中で工場を閉めて全員参加。いつも14:00から始めて17:00で終了。この時間は給料も出ます!
榎本:バーベキューも仕事の一部なんです(笑)!

-素晴らしい職場ですね(笑)!

社長:当社は年に5回は社員全員参加のイベントがあるんですが、幹事は持ち回りでやってもらっています。
実は当社は今年、101周年記念イベントを開催しました。
昨年は100周年ということで、お客様に感謝するイベントだったのですが、僕は社員を主役にしたイベントやりたいなと思っていました。101周年記念イベントは社員に主役になってもらいました。

ディズニーホテルに一泊二日。全社員とその家族をご招待。家族だけじゃなくて彼女いる奴は連れて来い!と言って、全部会社で負担しました(笑)。

昼はディズニーランドなりシーなりで各自遊んでもらって、一日目の夜だけ全員集合して乾杯して大宴会です。ビンゴゲームなんかもやりましたね。
榎本:大盛り上がりでした。

(101周年の写真)

社長:101周年イベントの幹事、司会を勤めてくれたのが榎本だったのです。彼はよくやってくれました。毎年、社員の全員投票でその年のMVPを決めるのですが、今年は見事榎本がMVPに輝きました。

-榎本さんはどんな人と一緒に働きたいと思いますか?

榎本:やっぱり前向きな人ですかね。仕事は会社に入ってから覚えられるので。
会社を一緒に良くしたい、ウチの社長を盛り立てていける人ですかね。

「ウチの主役は社員。あの会社の元気な社員を見に行こう!と言われる会社でありたい」
「『仲良し』は最高です!」
「バーベキューは仕事の一部です」

魅力あふれる情熱家の高橋社長と、社長に絶大な信頼を寄せる社員の皆さんが一丸となり「日本でイチバン元気な鋳造メーカー」を目指してひた走る「ハイキャスト」。
101周年を迎えたこの会社では、「最高に仲良く、楽しく仕事を一緒に出来る仲間」を募集
しています。業界未経験でも大丈夫。特に野球好きならとても楽しく働ける職場です。

 

株式会社ハイキャスト求人情報

募集職種 鋳造作業スタッフ
雇用形態 正社員
給与 月給20~25万円(年齢・経験等考慮)※試用期間3ケ月あり
30歳モデル賃金 29万円(18歳入社、12年勤続としての一例)
福利厚生 ・賞与年2回(2018年度は1回/年)
・昇給年1回
・保険(健康保険、雇用保険)
・厚生年金
・通勤手当
・育児手当
・時間外手当
・自己啓発手当(習い事半額支給))
・退職金制度
・社員旅行有り
・野球部有り

仕事内容 仕事は優しい先輩たちが一から丁寧に教えてくれます。
砂で鋳型を造り、溶かした鉄を流し込んで機械部品等を製造する
仕事です。
会社で必要な資格は、入社後勤務時間内に会社の費用負担で、
取得してもらいます。

勤務地 埼玉県羽生市
勤務時間 8:00~16:45(休憩時間 10:00~10:10、14:45〜14:55、昼休み12:00~12:45)
休日休暇 日曜、土曜(指定日)、夏季、年末年始、GW、他会社カレンダーによる。(年間休日日数105日)
応募資格(年齢上限・資格・スキルなど) 不問
選考基準 弊社の社是・経営理念に共感と熱意
求める人物像 1.協調性がある
 ・自ら進んでコミュニケーションを取り、作業に協力できる。
 ・他の人と協力し、新しい取り組みに積極的に参加できる。
2.ポジティブである
 ・素直で成長志向。
 ・積極的に行動し、失敗を恐れない。
3.創造性がある
 ・固定概念に縛られない。
 ・会話の空気づくりが上手い。
募集期間 2018/4/1~2018/9/30
採用予定人数 1名
選考プロセス まずは弊社までご連絡ください
 ↓
1次面接
 ↓
役員面接
 ↓
採用(採用期間3カ月あり)
・次の選考ステップに進まれる方のみご連絡させていただきます。 
・取得した個人情報は、採用選考にのみ使用します。 
・選考プロセスは変更になる可能性があります。
・不採用理由についての問い合わせにはお答えできませんので
ご了承下さい。

その他 <事務局からメッセージ>
【人を大切にする】をモットーに鋳造一筋101周年!!
20代、30代を中心に幅広い年代の男女が活躍中。
仲の良さが自慢の会社です。
「仕事はつらいこともきついことも多い。でもだからつまらないってこと
ではないはず。仲の良い職場で本気で仕事の楽しさを追及する。」
こんな気持ちに共感できる方と一緒に仕事ができることを
楽しみにしています。