システムは魔法の杖ではない
この言葉を聞いたのは、20年以上前のことです。
現在私のところでは、Excelを使った加工品の見積りソフトを開発し・販売、そしてコンサルティング・ツールとしても活用しています。
先日訪問した企業の幹部の方から、自社で加工品の見積りソフトを開発したが、2,3年後には使わなくなってしまった。
つまり、業務に役立つソフトを作っても、だんだん使わなくなってしまうと愚痴を聞きました。
この意見について、見積ソフトを何のために開発したのかを確認させていただきました。
その回答は、自分の属する部門(生産技術部門)での業務の効率化を図るためだったとのことです。
本来、コストは企業にとって非常に重要な役割を持つ数値であるはずです。
また、社内では、「経費の削減」や「コストダウンの推進」という言葉が発せられているはずです。
そのツールとして、加工品の見積ソフトを開発し、活用するはずたったのに何故使わなくなってしまったのでしょうか。
この原因には、以下のようなことが挙げられるのではないでしょうか。
「コストダウンは、継続するもの」とされているが、会社の環境が厳しい時には必死に努力するが、脱却してしまうと忘れ去られてしまう。
つまり、コストダウンの意識を常に持ち続けることが大切です。この道具の一つとして、加工品の見積ソフトがあったはずです。
幹部の方たちが、コストダウンを継続することへの重要性を伝えていくことです。
加工品の見積ソフトを何のために作ったのでしょうか。たんに業務の効率化を進めるためだけでしょうか。
であるならば、その業務の範囲内で継続を進めていくことを意識する必要があります。
しかし、本来は、コストダウンのツールとして活用し、全社員がコストを知り、コスト意識を持った活動に繋がるような啓蒙活動が含まれていなければなりません。
このような全体の構想を行い、ソフトを開発していくべきです。
部品加工を行っている作業の内容を理解したうえで、それをソフトの中に取り入れているでしょうか。
たとえば、マシニングセンタで穴加工を行うときには、もみつけ⇒穴あけ⇒面取りの3つの作業があります。
見積ソフトで、この3つの作業を個々に入力するようになっていたならば、入力漏れを起こしやすいのではないでしょうか。
これは、作業を理解している社員からみれば当たり前のことかもしれませんが、知らない社員にとっては学んでいかなければなりません。
コストダウンを推進するためには、見積ソフトとういうツールを活用して、ものづくりに携わる社員にこのような教育をしていかなければなりません。
この話は、加工品の見積ソフトに限ったことではありません。
生産管理システムを導入した企業の問題として、間接部門の残業の増加や作業日程の頻繁な変更など生産性を低下させてしまっていることを見かけることがあります。
コンピュータ・システムで行えば、効率化が図れると考えているようですが、これも同じようなことが言えるのではないでしょうか。
「システムは魔法の杖ではありません。」
システムの目的と社員への啓蒙、継続的な努力が必要になります。
機械加工品の見積もりソフト
「コスト・シミュレーター」
「切削・研削コストテーブル」
「簡単見積切削品」
板金加工品の見積もりソフト
「コスト算定システム」
「簡単見積板金品」
これまで、加工品見積ソフト5種類ともにExcel32bit版にのみ対応していましたが、今回Excel64bit版にも対応することになりました。
これによって、Office2013以降のプリインストール版に、Excel64bit版が搭載されている場合でも、すぐに見積ソフトを運用することができるようになりました。
また、Excel32bit版とExcel64bit版が混在している環境でも、区別することなく、同じ操作で見積コストを算出することができます。
操作方法や機能などの詳細は、弊社HPの見積ソフトおよびデモ動画のページを参照ください。
なお、現在デモ版の配布は行っておりません