「ざる」という言葉
「日本語の単語には、漢語と外来語と大和言葉の3種類があります。」
新年早々に年末に話を戻しますが、年越し蕎麦、食べられましたでしょうか?
とある調査では、9割くらいの人は年越し蕎麦を食べているそうです。
もちろん、私も年越しそばをおいしく頂きました。
さて、そばと言えば「ざる」(ざる蕎麦、です)。
皆さんは、この「ざる」という言葉からどんなことをイメージされますか?
「ざるそば」の「ざる」以外にも例えば、いくらでもお酒飲める人を、「ざる」って言ったりしますよね。
本人が幸せかどうかはわかりませんが、お酒に強くない身としては少しうらやましくはあります。
他にも、スポーツの世界であれば「守備が、ざる」とか。ちょっと穴のある、鉄壁ではない守り。
さて、今回「ざる」を引用したのは、とある人との日常の会話で、はっとさせられたからです。
「真剣に言ったつもりなのに、無視されたように感じた」
「こっちはきちんと話しているのに、取り合ってくれない」
日常会話の中で間々あるすれ違いの一つかもなのですが、「経験する自己」と「物語る自己」の話を、ふと思い出しました。
「経験する自己」「物語る自己」は、ダニエル・カーネマン氏の引用ですが、それによれば人は過去の経験を都合よく解釈し、自分に都合の良い一貫したストーリーを作り上げている。
きっと、そのストーリに基づいて、自分の中に、自分に都合のよい「ざる」を作ってしまっているんでしょうね。。
そして、その作り上げた「ざる」に基づいて、必要な情報の選択を、自分に都合よく行なっている。
コトバを受け取った側(すなわち、私)は、もちろんそんなつもりなんてありませんが、指摘されてみてはじめて、「そうだったの?」となりました。
悪意はありませんが、交わされた言葉の大切な部分を、「ざる」の網の目から逃してしまっていた。。
相手からすると、そんな私はまさに「ざる」。
コーチとして、コーチング・セッションの最中や、クライアントとの対話の中であれば、重要なコトバを漏らすことはないように意識を集中させています。
一方、日常の自分は、都合よく作り上げたストーリーに従って「これは大した話ではない」と判断していることが、どうやら大いにあったようです(これは大いに反省・・・・)。
絶対に見逃してはいけない、相手にとって「大切な言葉」。
「普段の生活でもコーチのマインドを」と、気持ちを新たにした次第です。
※株式会社未来カ(みらいか)のホームページを一新しました。
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私のほか、弁護士、中小企業診断士などがブログを執筆しております。
著者
塙 健一郎 / 株式会社未来カ(みらいか)
渋沢栄一は「士魂商才」という言葉を残しています。欲は事業発展への必要条件かもしれませんが、その先にある本当の意味での満足感、幸福感は何から生まれるのか、それをクライアントの皆様と共に考え目指し、実りある関係を育んでいます。