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「急がば回れ」の経営〜山本五十六とコーチング

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「急がば回れ」の経営。〜山本五十六とコーチング

いよいよ2018年、そして平成最後の年も終わりに近づいてきましたね。

 

年末年始、皆さんはどのようにお過ごしになられますでしょうか?
私は実家の茨城県に戻り、旧友との親交を温める予定です。

 

さて、今回はリーダーシップとコーチングがテーマです。
太平洋戦争当時に連合艦隊司令長官だった山本五十六が残した言葉をキーに、お伝えしたいと思います。

 

私は公認会計士ですが、同時にプロコーチとしてコーチングを提供しています。

 

その際「リーダーとしてコーチングを学ぶべきか?」とのご質問を良く頂きます。

 

コーチングを受けることで、コーチングを活用した課題解決に期待を抱いてくださる方が多いのかな、と感じています。

 

そんな方に、私は「山本五十六が部下に接する際、コーチングを意識していたとしたらどうお感じになりますか?」とお聞きするようにしています。

 

皆さんは、この質問についてどのようにお感じになりますか?

 

山本五十六は、次の有名な言葉を残しています。

 

やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

 

リーダーシップには多くの考え方やモデルがありますが、今回は、以下リンク先に掲載した「シチュエーショナル・リーダーシップモデルU(以下、SLモデルU)」をご紹介します。

 

「シチュエーショナル・リーダーシップモデルU」
https://miraika.co.jp/

 

 

「SLモデルU」はその名の通り、状況に応じて用いるべきリーダーシップスタイルは異なる、というものです。

 

簡単に説明いたします。

 

異動してきたばかりの部下は当然力量不足ですが、初めての仕事に対して熱意を持っているのが通常。

 

これがD1に該当します。そのような場合、リーダーからの明確な指示が無ければ戸惑うだけで成長も得られません。

 

サポート的な態度(助言等)よりも、明確な指示に重点を置いたリーダーシップスタイルが適していると言えます(S1)。
その際は、場合によっては褒めたりする必要もあるでしょう。

 

しかし部下が仕事に慣れてくると、力量は不十分にも関わらず熱意は徐々に下がってきます(D2)。
そうなってきたら、指示の割合を減らし、サポート的な態度(例えば、「何を加えれば上手くいくと思う?」などのポジティブなオープンクエスチョンの活用や、出来た事実を認める)を活用していく(S2)。

 

さらに部下が習熟してくると、ある程度任せられる力量になってきます。

 

力量が高まることで、時には熱意も比例して高まる一方、余裕も出て来ることでその熱意は移り気になります(D3)。

 

そうなった場合は指示の割合をさらに減らし、サポート的な態度の割合を高め、部下が主体的に行動できる状態を生み出すようにします(S3)。

 

最終的に部下は仕事に十分習熟し、独り立ちできる能力を持ち始めます。

 

同時に仕事への熱意も取り戻します(D4)。

 

そうなれば部下に任せ、上司は報告を聞き、必要なときだけ指示やサポートを行うスタイルに変えていくことが有効と考えられます(S4)。

 

このように、部下の成長プロセスに沿って指示とサポートの割合を変えることが、リーダーシップの発揮において有用、ということを「SLモデルU」は示しています。

 

もちろん、現実には必ずしも部下の成長と熱意がきれいに順を追って進むわけではないですが、部下の成長度合いと熱意の程度を感知し、それに応じてリーダーシップスタイルを変えていくことは、私は一つの方法論として有効だと感じています。

 

さて、山本五十六に話を戻します。
山本五十六の先の言葉を再度ご覧いただき、何かお気づきになられませんでしょうか?

 

私は実は、山本五十六は「SLモデルU」と同じことをこの言葉に込めているのでは?と考えています。

 

つまり、

 

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば人は動かじ。⇒指示型

 

話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。⇒コーチ型、支援型

 

やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。⇒権限移譲型

 

 

「SLモデルU」は1986年に発表です。
そう考えると、山本五十六の先見性には驚かされます(もっとも、私の解釈が山本五十六の意図に沿っていればですが)。

 

そしてこのことは同時に、「SLモデルU」への信頼感も高めてくれました。
山本五十六が言っているなら、現場実践にお墨付きを得たようなものです。

 

他方で、「コーチング」はリーダーシップの視点では、もちろん万能ではありません。
山本五十六の言葉は、そのことを明確に示しています。

 

リーダーは、部下の熱意と成長度合いを感知し、時には指示的に接し、また時には信頼して任せる必要があります。

 

部下の成長度合いと熱意に応じたリーダーシップスタイルの選択、是非現場で実践されてみてください。

 

そして、リーダーシップのレパートリーの一つとして、「コーチング」を学ばれてみることも、お勧め致します。

 

なお、リーダーシップは奥の深いテーマです。他の観点も含め、改めて触れさせていただく予定です。

 

※士業を中心としたプロコーチが集い、以下のブログを展開しています。

 

「コーチング・ガレージ」https://ameblo.jp/coachinggarage2018/"> https://ameblo.jp/coachinggarage2018/

 

こちらで、年末のコーチング無料体験セッションも募集をしております。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

著者

塙健一郎

塙 健一郎 / 株式会社未来カ(みらいか)
渋沢栄一は「士魂商才」という言葉を残しています。欲は事業発展への必要条件かもしれませんが、その先にある本当の意味での満足感、幸福感は何から生まれるのか、それをクライアントの皆様と共に考え目指し、実りある関係を育んでいます。

 

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