「急がば回れ」の経営。〜経営は実行
もう10年くらい前になるでしょうか。
とある経営者からの薦めで、『経営は「実行」』(ラリー・ボシディ/ラム・チャラン著)という本を読んだことがあります。
タイトルが鮮烈で、何となく覚えていました。
(ちなみにその方の会社は著しい業績を上げ続けています。今でも)
そうです。経営は「実行」です。
実行があって、初めて何かが生まれ、動き、会社の目的に近づくことが出来る。
顧客に貢献し、地域に貢献し、従業員に喜びを与え、経営者が満たされる。
考えているだけでは、何も生まれない。
意思決定しただけでは、会社は前には進まない。
計画だけでは、絵に描いた餅。
言うまでもありません。
ですが考えてみてください。
個人でも過去を振り返ってみると、「あれをやっておけば」ということは多々あります。
そして、その多くはその時に思い浮かび、しかし実行しなかった行動だったりします。
会社ではどうでしょうか?
もしかすると、同じように「あれをやっておけば」ということがありませんか?
そしてそれは、実はやると決めたことだったり、提案しようとしていたことだったりしませんか?
皆さん、実行できてますか?
そもそも、何を実行しようとしてますか?
それを実行しようと決意した背景には、何がありますか?
実行を決意した時、従業員の皆さんはどのように貢献してくれましたか?動いてくれましたか?
実行したら、取引先はどのような表情で迎えてくれますか?お客様は?
経営理念の空文化。
ビジョンの一人歩き。
「てこの原理」を無視するマネージャー。
主体性のない部下。
利益の上がらない事業。
苦しい資金繰り。 etc.
組織の力、出し切れていますか?
本当は、もっと実行できるのではないですか?
質問されて、どのようにお感じですか?
「唯一絶対の答え」なんて、もちろん存在しません。
ですが、あなたの答えはあなた自身の中に、必ず存在しています。
それを対話によって引き出すのが、我々「コーチ」の仕事です。
時間はかかるかもしれません。
教えてもらう答えにしがみつきたくなる時も、多分あると思います。
でも、自ら発見した自身の答えほど、実行に結び付くものはありません。
経営理論。私も少なからず知っています。経営学修士ですから。
経営実務。私も多少は知っています。経営していますから。
会計や税務。それなりに知っています。公認会計士・税理士ですから。
必要であれば、それらをお伝えすることはできます。
でもそれは、あくまであなたが求めれば、です。
それが、コーチングです。
「急がば回れ」。
まさに、コーチングにピッタリの言葉です。
著者
塙 健一郎 / 株式会社未来カ(みらいか)
渋沢栄一は「士魂商才」という言葉を残しています。欲は事業発展への必要条件かもしれませんが、その先にある本当の意味での満足感、幸福感は何から生まれるのか、それをクライアントの皆様と共に考え目指し、実りある関係を育んでいます。