上がってしまった社会保険料が下げられる・・・?
毎年上がり続ける社会保険。少子高齢化社会の進行によるしわ寄せが各企業にも重くのしかかってます。
本コラムでは、とある中小企業が上がり続ける社会保険、そして年金問題に対応していく様子をレポートいたします。
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1週間後、再び、社長、経理部長、総務部長の会議で
経理部長: 社長、無料レポートを取り寄せて、総務部長にも見ていただきましたが、法的な裏付けもあるようですし、既に多数の会社が導入していて、実績も効果も出ていると書いてありますから、もう少し細かいところまで調査してみたいと思います。私が調べたところでは、ファーストリテイリングがこの制度導入の第1号でその次がヤマト運輸だそうで、10年以上の運用実績があるとのことです。
新社長 : で、何がどうすると、社会保険料が軽減されるの?というか、我が社の場合は上がってしまった保険料をどうしたら下げられるかということだけど。
総務部長: はい、端的に言いますと、会社が企業型確定拠出年金制度を導入して、掛金は、社員に今払っている前払い退職金を充てるというやり方で、保険料の軽減が図れます。実は、私も3年ほど前に、我が社の適年をどうするか検討したときに、代わりの企業年金制度について調べたことがありまして、その時に買った本を、もう一度読み返したところ、この仕組みについても説明がありました。これがその本ですが、大手都市銀行系の確定拠出年金研究会というチームが書いたものですので、間違いないかと。(「企業のための確定拠出年金」)
新社長 : 確定拠出年金って401Kのことでしょ?聞いた話では、少なくとも100人くらいの規模の会社じゃないと、運用会社が引き受けてくれないっていうことらしいよ。ウチあたりの規模の会社じゃ、導入したくてもどこも取り合ってくれないんじゃないの?それに、現金を渡してあとは社員の自己責任で、というのと、会社が制度を導入して、社員に自己責任で資産運用させるというのとでは少し訳が違うのではないだろうか?もし失敗して資産がなくなってしまったら元も子もないし、あまり好ましいものだという認識はないんだけど。そのレポートでは何か特別なことでも書いてあるの?
総務部長: はい、この制度は「選択型」確定拠出年金と呼ばれていて、特徴として5点ほどあります。
まず、60歳未満の厚生年金被保険者で、制度に加入を希望する社員だけ、加入できるということで、選択型401K型と呼ばれています。加入選択しない社員には相変わらず前払い退職金を支給しますから、社長のおっしゃる自己責任についても社員に選択の余地があると言うことです。また、レポートで紹介されていたものでは、加入希望者が2名以上であれば導入できるとのことです。また、役員も厚生年金の被保険者なら加入できます。
2番目は、401Kの掛金は毎月3千円から5万1千円までの範囲内で、加入者が決めることができ、また変更も随時可能ということです。ただし、一度加入したら勝手に脱退することはできませんので、掛金をゼロにすることはできません。最低でも毎月3千円を拠出することになります。
3番目は、掛金は会社が拠出金として、加入者個人の401K口座に払い込みますので、給与とはみなされず、従って、社会保険料や課税の対象になりません。これで社会保険料の軽減が可能になるわけです。
4番目、この拠出金は払い込まれた時点で社員のものですが、原則として60歳になるまで引き出すことができません。まあ、言ってみれば老後の生活資金としての性格が強い積立ですから、60歳まで引き出せないのは、考え方によってはむしろ良いことかも知れません。更に積立期間中の利息や配当は非課税です。これも大きなメリットです。
5番目は、資産運用についてですが、確かにハイリスクハイリターンの投資信託のようなものもあるようですが、元本確保型のローリスクローリターンの運用も可能で、いろいろな運用方法が選べるようになっています。
その他の基本的な仕組みは通常の401Kと同じです。
新社長 : 何か、いいこと尽くめのような話に聞こえるけど、その話、本当に大丈夫?ともかく、私も加入できるのはいいことだと思うけど、総務部長、経理部長、ご両人はどうですか?加入したいと思いますか?
(・・・続く)
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