5 新規事業を飛躍的に増やす「◯◯%ルール」
15%ルール、20%ルールをご存知でしょうか?
15%ルールは3M、
20%ルールはグーグルの社内ルールです。
いずれも、「業務時間の◯◯%は、社員の自由に研究していい」というルールです。
残りは会社に言われたことをしなくてはいけないとはいえ、その程度の時間を「自分の好きな仕事」に費やすことができます。
このルールから出てきたという新製品が、有名なポストイット(付箋紙、3M)ですし、グーグルの場合、Adsense、Newsなどのサービスです。
3Mの例
http://www.mmm.co.jp/wakuwaku/story/story2-2.html
グーグルの例
http://googlejapan.blogspot.jp/2007/07/20.html
このルールは、ある程度の規模の会社では実際に運用されていることが多い。
<なぜ◯◯%ルールを設定するのか?>
一見、このルールは社員の自由に任せるという無謀そうに見える。では、このルールを大企業(しかもうまく行っていると言われている企業)が導入するのはなぜでしょうか?
理由は成果に結びつくから。
上記の例を挙げた通り、3M、Googleでは、実際の製品に結びついています。
実際に回してみると、従業員は驚くようなことをやり始めめます。
「どうだ、こんなの出来たぜ、へへへ」
と少年のような顔になります。
もちろん、いいものもあれば、ダメなものもあります。
それでも、「◯◯%ルール」を存続させるのは、メリットが大きいからです。
メリットとは何でしょうか?
・会社で選別したテーマよりも◯◯%ルールで開発したものの方が良いことが多い
・従業員のモチベーションが上がるなどの副次的なメリットが大きい
いずれにせよ、メリットがデメリットを上回らなければ制度は継続できません。
<社員への影響>
このルールは、社員にどういう影響があるでしょうか?
一つは、アイデア出しをして、テーマとして選択されなかったものに拘りたいという人もいるだろうし、
もう一つは、本当に自分の好きなことをしたいという人も居るだろう。
他にもあるかもしれない。
いずれにせよ、このルールが「自由に自分の好きなことをしたい」という人間の本性に向いているということではないかと思います。
「空気を読んで行動せよ」という風潮もあるますが、私は、商品や事業の開発はその対極にあると考えています。
会議は想像力を削いで、エッジの効いたアイデアの角をとってしまいます。
空気など読まなくていい。エンジニアは自分の好きなことをすればいいのです。
<導入する場合の注意事項>
どんな会社でも、エンジニアの創造力をかきたてて、妄想させるのを許す風土は必ず必要です。
◯◯%ルールは、リスクはあるが、リスクをとる意味がある。何事もやってみなければ分かりません。
しかし、向き不向きの組織・職種があることは紛れもない事実です。
この制度は、そもそもエンジニア・営業など、ある程度の自由度がある組織・職種に適用するのが望ましくあります。
そもそも、ある程度自由なのを、さらに自由にするというものです。
ただし、自由には代償が伴うようします。
◯◯%ルールのもと、考案した内容を情報共有する仕組みです。定例会のアイスブレイクのテーマ(ちょっとしたコーナー)で良い。
そこで発表させることにより、自由な時間でのアウトプットを創出させることが出来ます。
ルールのもとにした発明については、発明者の持分を増やしたり、発明から得られる取り分を増やしてもらうなどの制度も導入するのが望ましいです。
頑張ったインセンティブです。たとえば、社長賞・〇〇賞などの名誉とセットで導入することが必要です。
業務報告書、出張報告書などの報告はできるだけ必要ないようにし、税務上、会計上のルールもあれど、ある程度の予算を付けるのが望ましいです。
<まずはやってみましょう>
導入に、細かいルールは必要ですが、導入するかどうかは結局経営者の度量です。
やってみて効果があるか、分からないならばやってみればいい。
わからないことをやらないで済ますような組織ならば、このルールを導入は向いていると言えます。リスクを取らない組織文化は、強引にでもリスクを取る組織文化に置き換えて打破する必要があります。
※ルール導入のより細かい勘所については、お問い合わせいただきたい。
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/ 新規事業開発コンサルタント
ものづくり企業の新商品・新事業を粗利50%以上の高収益にするノウハウで数十社のクライアントを支援し実績を上げている。
中には、ほとんど手間がかけずに、粗利90%以上の事業と優良な知財を両立させるクライアントも輩出するなど、超効果的なR&Dを実現するノウハウには定評がある。
NEC退職後にベンチャー企業を設立。粗利9割の高収益ビジネスを実現したものの、その事業が模倣されたことをきっかけに弁理士に。現在では技術と知財の専門家として数多くの企業経営者を支援している。
専門は高収益技術経営
弁理士北海道大学卒業、東京大学大学院修了
コラム「高収益技術経営」を日経クロステックで連載中
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00662/
過去のコラム目次
https://innovest.jp/columnindex/