2 「社員の自己実現とは、開発である」
社員にとって、自己実現とは何でしょうか?
私は、社員の自己実現とは、開発であると考えています。開発は、新規事業開発を含め、何か新しいことをすることです。
なぜそう思うかというと、私たち人間は、未来に向かって行きたいからです。過去に戻りたいとか、今のままでいいと思っている人はいません。進歩し、向上し、成長したいと思っているのです。
未来に向かっていく、新しいものを開発していく。
そのための場が、会社であり、会社で開発をすることによって、自分を成長させていくのです。
そうやって、社員の成長と会社の成長が両輪のように回っていくと、会社は自律的に成長出来ます。会社は、自己実現の場を提供するだけで大きくなっていくのです。
分かりやすい例を挙げましょう。
<リクルート>
江副浩正氏が作ったという、リクルートの社訓があります。
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
というものです。
その言葉に表わされるように、リクルートは社員の自己実現のための場になっています。
何をしているのでしょうか?社内でのビジネスプランコンテスト、社内ベンチャー制度をはじめ、試行錯誤を繰り返しながら新規事業開発を繰り返しています。また、採用・昇進についてもいくつかの制度を設けて、社員の自己実現の場として、事業開発をするという方法をとっているのです。
自己実現の場であるとともに、新規事業の場にもなっているということは書くまでもないでしょう。
<キーエンス>
また、キーエンスがあります。キーエンスの新商品のうち、世界初や業界初が7割を超えるという情報もあります。また、有名な話として、社員の平均給料が群を抜いています。32歳で1400万円。一般的なメーカーの給料水準ではありません。
キーエンスでの新規事業の取り組みはどんなものでしょうか?
キーエンスでも、社訓がありますが、自己実現や商品開発で取り上げたいものは次のようなものです。
「顧客の欲しいというモノは創らないる(≒顧客が自分でも気づくような提案しか出せないようならば存在価値がない)」
「環境の変化を先取りし、自らも進化する(≒進化できない人間は不要)」
「夢中になって楽しむ(≒夢中になれない人間は通用しない)」
この社訓が徹底された社内制度によって、キーエンスでは、世界初や業界初が新商品の7割という高い成功率を生み出しているのです。会社の利益と社員の自己実現は両立するものであること、自らの成長(自己実現)が会社の新規事業につながっていることを実感できるでしょう。
今日は、リクルートとキーエンスという二社を例にとって、「社員の自己実現とは開発である」ということを書いて来ました。
次回は、「新規事業と自己実現をどうすれば両立できるのか?自己実現の原則」について考えていきたいと思います。
自ら気づき、自ら働き、自己実現する場所にするためには、社内ビジネススクールを開催するのが近道です。
100%の受講者が「自分が変わった」と回答し、
会社も変わると回答した社内ビジネススクールの
ユーザーの感想はこちらからご覧ください。
http://innovest.jp/b-school/voice/