事業再構築補助金の採択ポイント その5
今まで「補助対象事業としての適格性」について述べてきました。これは基本的な要件なので採択ポイントとしては必須項目です。ただし、「補助対象事業としての適格性」をしっかりと支えるために「事業化点」「再構築点」「政策点」の3つについて十分に記載する必要があります。これらが不十分だと「補助対象事業としての適格性」の評価も低くなってしまいます。
特に重要なのが「事業化点」です。簡単に言えばどのような事業を行って、どのように利益を出すのかを示すビジネスモデルの根幹といえます。
「事業化点」は以下の4つから構成されています。
本事業で何をするのかは「補助対象事業としての適格性」における新商品等の新規性要件に記載されているので、ここでは事業が遂行できるだけの能力や資金力を示します。実際に事業を行うための組織や構成員の能力についてや、金融機関や自己資金からの資金調達について明瞭、簡潔に記載すれば十分でしょう。
ここの記載が事業化点における重要ポイントで、参入市場の規模や成長性、競合他社の状況などを記載します。ただし、単に成長市場だから参入するというだけでは不十分で、その市場がどのような特徴を持ち、どのように当社と関わりを持つかについても記載する必要があるでしょう。
ここでは新規市場に参入したら具体的にどの程度売上が上がり、利益を出せるのかを示します。参入したはいいが、利益が出ないためすぐに撤退するようでは補助金をもらう意味がありません。また、参入に際しての課題とその解決手段を明示し、具体的なスケジュールも提示します。課題はその市場に今まで参入できなかった理由であり、解決手段は補助金を活用することで解決できる内容になります。
最後に本事業においてどのように自社の強みを活かし、競合に対して付加価値をつけていくかを記載します。また、既存事業と新規事業のシナジー効果などを示し、効果的に事業ができる旨を記載します。
既存事業と何らシナジー効果が無いとすると事業の成功確率が低くなり、また付加価値をつけることも難しくなります。
事業参入の理由でもありますが、既存事業とのシナジー効果があるから新規市場に参入するというのは納得感のある理由となります。
上記の@〜Cは公募要領の記載に沿った順番ですが、実際の申請書を作成する際にはよりわかりやすくするための流れを考えて記載した方がいいでしょう。
以上
講師
座間 正信 / 株式会社アイピーアトモス
企業の強み、市場の機会、アイデアに関する特許情報、市場における類似商品、今後の成長分野など幅広い視点から儲かる商品開発のアドバイス