事業再構築補助金の採択ポイント(1)
6月の上旬に第5回事業再構築補助金の採択結果が発表されました。
弊社が支援した企業でも採択された会社もあれば採択されなかったところもあります。そこで、事業再構築補助金の採択ポイントを再度考えてみたいと思います。
この手の補助金は審査項目にしたがって審査されます。どの審査項目が重要なのかは事務局や採点担当者にしかわかりませんが、おおよその目安をつけることはできます。私見ですが、おそらく重要度が高いのは「補助対象事業としての適格性」だと思います。なぜなら、適格性が著しく低い申請書内容はそもそも審査の対象外だからです。
「補助対象事業としての適格性」は大きく二つに分けることができます。
一つは「どれだけコロナで悪影響を受けたか」と「どれだけ新規性の高い事業の構築か」というものです。
「どれだけコロナで悪影響を受けたか」はコロナ前とコロナ後との売上高減少要件で表せます。第6回からはコロナ前とコロナ後との売上高減少は10%以上で良くなりましたが、もし売上高や利益が大きく減少したのであればそれを強調した方がいいでしょう。コロナにより大きな悪影響を受けた企業は採択されやすい印象があります。
理由は本補助金の目的にあります。目的は「新型コロナウイルスの影響により需要や売上の回復が期待し難い中、新分野展開等の取組を通じ思い切った企業の事業再構築の挑戦を支援すること」です。逆に言えばコロナの影響をあまり受けていない会社はそのまま事業を続ければいいので、支援する必要も低いといえます。
また「新規性の高い事業の構築」とは、「製品等の新規性要件」「市場の新規性要件」「新事業売上高10%等要件」の3つです。
「製品等の新規性要件」とは、既存事業・商品・サービスと本助成事業・商品・サービスの新規性の程度をいいます。また、「市場の新規性要件」とは、既存顧客と本助成事業の顧客との違いです。最後の「新事業売上高10%等要件」とは、本助成事業の売上が事業最終年に全体の10%以上となるかというものです。
少し長くなったので、次回は新規性要件について詳しく説明します。
以上
講師
座間 正信 / 株式会社アイピーアトモス
企業の強み、市場の機会、アイデアに関する特許情報、市場における類似商品、今後の成長分野など幅広い視点から儲かる商品開発のアドバイス