毎年3月の給与支払いは要注意【ものづくり補助金」を採択した企業にとってはとても重要!】
変なタイトルですが、「ものづくり補助金」を最近採択した企業にとってはとても重要な内容です。
一生懸命事業計画を考え、無事採択されて「ものづくり補助金」をもらったのは良いがそれで終わりではありません。数年前から「もの補助」の申請には給与支給総額の上昇と地域内の最低賃金よりも30円以上高い賃金を支払うことが義務付けられています。
そして計画通りにいかなかった場合には補助金の返還が求められるのは皆さんご承知のとおりです。(すくなくとも事務局はそのつもり)でも、事業計画の際に支援者にまかせっきりの企業が時々あり、そんなことはすっかり忘れているというケースも少なくないようです。
給与支給総額が計画通りにいったかどうかは3〜5年の事業計画期間が終了した時点で確認されます。
ただし、事業所内最低賃金がその地域の最低賃金よりも30円以上上回っていなければならないという規定については毎年4月〜5月の事業化状況報告期間に厳密に審査されます。そして報告期間の一カ月前の3月分の賃金を入力することと決められています。
仮にものづくり補助金で3年間の事業計画期間で申請し1,000万円を交付された企業が所在する都道府県の最低賃金が1,000円で、その会社の最低賃金が1,030円だとしましょう。
通常最低賃金は毎年秋に改訂があるので、もしその地域の最低賃金が1050円に改訂された場合、それを知らずに翌年の3月分の賃金も1030円だった場合は次のようになります。
@地域内最低賃金が1050円になった場合、それよりも30円高い1080円にしないと返還の義務が発生する。
A返還額は1000万円÷3(年)=3,333,333円
たった一回最低賃金規定を下回っただけで300万円以上返せということになります。
もっともこれには自己の責任以外の営業成績不振などいろいろ免除できる規定もありますが、この規定に関する説明もきわめてややこしく、免除してもらうのは至難の業です。わざと免除規定を使わせないようにしているとうがった見方をしてしまうほどです。
とにもかくにも毎年3月分の給与支払いの際には充分気を付けた方がよいということです。
以上
講師
座間 正信 / 株式会社アイピーアトモス
企業の強み、市場の機会、アイデアに関する特許情報、市場における類似商品、今後の成長分野など幅広い視点から儲かる商品開発のアドバイス