もの補助の採択は「はじめて応募の会社」が圧倒的に有利
昨年からものづくり補助金は、3年以内に交付されたことのある企業は減点されることになりましたが、その効果はどうだったのでしょうか。
第6次と第7次募集の状況からみると交付経験のある企業にはかなり厳しい結果だったようです。以下は第6次と第7次募集の採択結果(通常枠とコロナ枠を足した数で、グローバル展開型を除く)ですが、だいぶ申請件数が少ないことに気がつくでしょう。
第6次募集(5月13日締切)申請件数4,875 採択件数2,326(47.7%)
第7次募集(8月17日締切)申請件数5,414 採択件数2,729(50.4%)
数年前は一度の公募につき2万件以上の応募がありました。そのときは年二回程度の募集であり、通年募集(今では8〜9回/年募集される)ではなかったことや、事業再構築補助金もなく全国的な設備導入補助金はもの補助くらいしかありませんでした。
それに加えて、交付経験のある企業が減点されることも近年のもの補助申請件数が激減していることへの影響があるように思えます。
採択状況の結果を見ると明らかに初めて応募する企業の採択数が多くなっています。つまり「3年以内に交付経験のある企業は減点される」というルールのために、交付経験のある多くの企業が敬遠しているのでしょう。6次と7次の採択率は次の通りです。
6次+7次
過去三回交付された企業の採択率 27.3%
過去二回交付された企業の採択率 28.2%
過去一回交付された企業の採択率 34.2%
一度も交付を受けていない企業の採択率 53.1%
過去三回交付された企業でも3割近くは採択されましたが、過去1回でも交付経験のある企業でも3割強の採択率と、減点の影響が大きいことが示唆されます。一方、交付未経験企業の採択率は53%であり、交付経験企業との間で大きな差がついています。
もっとも第8次募集からはこれまで減点対象だった、いわゆる何度も交付を受けている企業は申請そのものができなくなってしまったので、初チャレンジの企業がほとんどになるだろうということが言えます。
いずれにしてもしっかりとした事業計画をつくらないと合格はあやういといえそうです。
以上
著者
座間 正信 / 株式会社アイピーアトモス
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