第2次 事業再構築補助金の採択結果は?
9月2日に事業再構築第2次募集の採択結果が発表されました。
8月の下旬に発表と言われていましたので申請をした企業はやきもきしていたのではないでしょうか。
採択率をみますと、比較的低いなあという印象です。
応募総数 20,800件で申請要件を満たしたものは18,333件ということですからおそらく書類不備かなにかで理由で12%の企業が審査から外されたということです。
書類不備は相変わらず多いですね。
一次募集では15%の企業が書類不備で脱落、その後いろいろマニュアルが充実されましたがそれでも12%が不備となりました。
申請した企業は例外なく一生懸命つくりあげたのでしょうから、その無念さが想像できます。
結果、受理された件数は18,333件となりました。そのうち採択件数が9,336件ですから50%を超しているのじゃないかと一瞬思いましたが、
中身を見るとそうではないのがわかります。
以下は中小企業の応募・採択状況です。
通常枠 申請件数14,800件 受理数13,174件 採択件数5,367件
特別枠 申請件数 5,884件 受理数 5,071件 採択件数3,919件
卒業枠 申請件数 48件 受理数 36件 採択件数24件
卒業枠は規模を急拡大しようとする企業なので例外としてみますと通常枠ではおよそ4割の採択率、特別枠は8割近くの採択率となっています。(受理数を分母にした場合)
特別枠はコロナの被害が大きかった会社という定義ですので優遇されるのは当たり前だと思いますが、通常枠はこれまでのものづくり補助金での平均採択率とほぼ同じじゃないでしょうか。
さてこの次の第3次募集もあと2週間ほどで締切となり、すぐに4次募集が始まります。
2次で不採択になった会社も次こそはと準備を初めているのではないでしょうか。
事業再構築に申請した企業の業種別内訳をみてみましょう。
もともとこの補助金はコロナ対策ですので宿泊業、飲食サービス業の割合が高くなることは予想されてましたがその通りになりました。
応募と採択の件数の多い順に示すと次のような感じになります。
応募件数上位5業種
宿泊業・飲食サービス業 19.6%
製造業 18.5%
卸売業・小売業 15.4%
建設業 9.7%
生活関連サービス業 7.4%
採択件数上位5業種
宿泊業・飲食サービス業 23.8%
製造業 23.2%
卸売業・小売業 14.1%
建設業 8.1%
生活関連サービス業 6.8%
応募数と採択件数の順番は完全に一致しています。まるで業種別に採択数を振り分けたように思えます。
それからもう一つ面白いデータがあります。各都道府県に存在する中小企業のうちどれくらいの数が今回の第2次事業再構築補助金に申請したのかという統計です。
これを見ると最も割合が高かったのが京都府の1.03%、反対に最も低かったのが青森県の0.19%です。
東京も比較的高く0.93%、すなわち中小企業全業種の100社に1社が申請したということですね。
この補助金への申請割合は結構高いと思います。
当初から予算規模の大きさが注目され、いろいろなところから申請を勧められたりしたのでしょう。
以上
著者
座間 正信 / 株式会社アイピーアトモス
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