目まぐるしく変わる事業再構築補助金の制度
このところ事業再構築促進事業の話題があちらこちらで聞かれます。
1兆円を超える予算額、一企業に与えられる補助金額の大きさなどか募集前からたいへん人気が高く関心を呼んでいます。
この制度はウィズコロナ、ポストコロナの経済社会に生き残るために思い切った事業の見直しをしようという企業を支援するというものです。
「思い切った事業の見直し」という形容詞から想像できるように、
それまでの経営スタイルを抜本的に変えることが期待されています。そのため予算額も大きく、補助金額も一般枠で最大6,000万円と巨額です。
さらに中小企業の範囲を超えて企業規模を拡大しようとする場合は1億円まで補助する制度になっています。
さてこの制度、3月36日(金)に公募が開始されました。
そして4月15日(木)から受付を開始し、4月30日(金)の18時が締切となっています。18時というのはその時点で電子申請のシステムがシャットダウンされるということです。
もともと国は「3月に公募を始める」「一次公募の期間は一ヶ月を予定している」と公表していたのでなんとかその通りのスケジュールで開始したということでしょう。
ですが、最初に決めていたスケジュールに合わせてむりやり募集を始めたという印象がぬぐえません。
というのも応募用書式が発表されたのは、公募が始まって一週間後の4月1日(木)です。
それまでは公募要領を頼りにこんな項目を書いておけばよいのかなという予測で、申請内容を考えていた企業が多かったのではないでしょうか。
また、申請作業の説明も固まっていないところもありました。
その典型的なものがロカベン、自社の財務状況などを自己分析するツールであるローカルベンチマークの入力方法や申請の仕方です。
これも募集開始時には具体的な説明がなく、おそらく多くの企業から問い合わせがいったものと思います。
さらに事業再構築促進事業のサイトではcoming soonという表示がまだ残っており、これから新たな情報が加えられるものではないかと思います。
そもそも国は昨年から補助金申請の電子化を進めており、他の補助金でも一旦固まった申請手続きの仕方に問題が見つかり何度もバージョンアップされる結果、利用者が混乱するという事例がたいへん多いように感じます。
ものづくり補助金の申請フォームでも昨年春の一次公募と冬の4次公募ではやり方が変わっているなど充分に注意することが必要です。
4月30日(金)の締切はすぐにやってきます。申請を考えている企業そしてそれを支援する認定支援機関は毎日のように本補助金の公式サイトを確認しておいた方がよいかもしれません。
以上
著者
座間 正信 / 株式会社アイピーアトモス
企業の強み、市場の機会、アイデアに関する特許情報、市場における類似商品、今後の成長分野など幅広い視点から儲かる商品開発のアドバイス