2021年のものづくり補助金&その他の補助金
今年も間もなく終わりますが来年のもの補助、そしてその他の設備投資向け補助金の様子がだんだん見えてきました。東京都の大型設備投資向け助成金は例年通り、名前は変わりますが二つの事業が実行されます。
<東京都の大型設備投資助成金>
【明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業】
受注型中小企業競争力強化支援事業が名前を変えたものでこれも3年目に入りました。これは年一回の募集です。
【躍進的な事業推進のための設備投資支援事業】
革新的事業展開設備投資特別支援事業が名前を変えたものでこれから3年ほど、年2回の募集が行われるものと思います。
<菅政権の意向が強く表れた大型補助金>
さて、国が実施する補助金ですが今年は菅政権の意向を受けた補助金が発表されました。それは企業規模を拡大して生産性を高めようとする考えです。
【中小企業等事業再構築促進事業】
「事業再構築に挑戦する中小企業(中堅企業)に対して最大6000万円(8000万円)を補助、中堅企業への成長を目指す中小企業やグローバル展開を目指す中堅企業に対しては上限を1億円に引き上げ成長を協力に支援」とあります。
中小企業基本法では「資本金3億円以上かつ従業員数300名以下の製造業者は中小企業」という定義があります。それを超える企業として規模拡大を目指そうとする場合1億円の補助を与えますよということです。
菅義偉総理大臣のブレーンであるゴールドマンサックスの元伝説ディーラーが日本の企業規模は小さすぎると主張してきたのは有名な話でおそらくその意向が強く反映されたのじゃないでしょうか。
さて、この制度には4つの区分があります。
補助金額 補助率
中小企業(通常枠) 100万円〜6000万円 2/3
中小企業(卒業枠) 6000万円超〜1億円 2/3
中堅企業(通常枠) 100万円〜8000万円 1/2(4000万円超は1/3)
中堅企業(グローバルV字回復枠) 8000万円超〜1億円以下 1/2
4つの区分に共通している条件として次の記述があります。
・申請前直近6カ月間のうち任意の3ヵ月の合計売上高がコロナ以前の同3カ月の合計売上高と比べて10%以上減少している中小企業等
・自社の強みや経営資源を活かしつつ経産省が示す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定支援機関等と策定した中小企業等
「卒業枠」の募集企業数は400社、「グローバルV字回復枠」は100社ですのでかなり限定されたものとなりそうです。
もし事業再構築指針の内容にそった事業計画を立てられる企業であれば「中小企業(通常枠)」の区分にチャレンジしない手はありません。
特に東京以外の道府県に所在する企業はこれほどの大型の設備投資向け補助金はなかったので要注目です。
<引き続き行われるコロナ対策>
令和2年度補正予算のものづくり補助金では合計5回の募集のうち、第4回を終了した時点で「コロナ枠」向けの予算を消化してしまいました。
2021年のものづくり補助金ではコロナ対策としての特別な補助はないかとおもっていたら復活です。ただし従来のA類型(サプライチェーンの毀損)というものはなくなり、感染対策に直接つながるもののみが対象となります。区分の名前は「低感染リスク型ビジネス枠」となり、補助率が通常1/2のところ2/3となります。
この措置は小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金にも同様に設定されます。
講師
座間 正信 / 株式会社アイピーアトモス
企業の強み、市場の機会、アイデアに関する特許情報、市場における類似商品、今後の成長分野など幅広い視点から儲かる商品開発のアドバイス