ものづくり補助金の採択率は??
ものづくり補助金は事業計画の評価順で採択される
ものづくり補助金は、申請資格を満たした企業が書式にもれなく記入して提出すれば必ずもらえるというわけではありません。事業計画の優秀性が高い方から順番に採択されるからです。
ものづくり補助金の採択率(入学試験でいうところの合格率)がどのくらいあるのか気になるところでしょう。
従来の採択率は40〜60%
ざっくり言えば、いままでの採択率は40〜60%でした。つまり、平成の時代は40%を中心として3割〜5割の間だったのです。
ところが、今年の第一次もの補助では、いきなり6割を超える採択率となりビックリ。でもその後は徐々に下がってきて、以前の採択率に戻ってきています。
一次と第二次の採択率が高いのは、おそらく、コロナの影響で申請する企業数が少なかったことも影響しているのかもしれません。
第一次締切分 申請者数 2,287社 採択者数 1,429社(62.5%)
第二次締切分 申請者数 5,721社 採択者数 3,267社(57.1%)
第三次締切分 申請者数 6,923社 採択者数 2,637社(38.1%)
ところで、申請した会社のうち4〜6割が採択されると聞くと、けっこう簡単に補助金がもらえるきがしませんか。
しかしそうでもありません。ランダムで当たるくじ引きなら、当選確率が高ければそれだけ当たる確率も高いのですが、補助金の場合は審査され評価の高い順に採択されるので他社との競争になるからです。
今回から減点制度が導入されたため、新規申請者は有利
ところでもうすぐ10年になろうというものづくり補助金は、すでに何度も採択され補助金をもらっている会社がたくさんあります。
採択されやすい申請書の書き方をマスターした会社は採択されやすい事業計画を作成できるからです。
しかし、それでは不公平だという声が上がったのでしょう。
今年のものづくり補助金では「過去3年間に類似の補助金の交付決定を受けていた場合、交付決定の回数に応じて減点する」という決まりができました。
類似の補助金とは過去3年間に実施された「ものづくり補助金」のことを指します。何度も採択された企業はより大きな減点となるのでかなり採択されづらくなるでしょう。
逆に言えば、過去に「ものづくり補助金」を申請したことがない企業は採択される可能性が高くなるといえそうです。
講師
座間 正信 / 株式会社アイピーアトモス
企業の強み、市場の機会、アイデアに関する特許情報、市場における類似商品、今後の成長分野など幅広い視点から儲かる商品開発のアドバイス