自社の成功事例を横展開する
新商品・サービスの開発や、新規事業の立ち上げなどにおいて、他社の成功事例を参考にしてやってみるということがあります。
TTP(徹底的にパクる)という言葉もありますね。
しかし、うまくいかない場合も多いです。
なぜかというと、会社を取り巻く外部環境と社内の状況(内部環境)が成功事例と異なるためです。
他社の成功事例を参考にするのであれば、外部環境や内部環境の違いを理解し、成果が出るように自社に置き換えて考える必要があります。
よって、まずマネすべきは、他社よりも自社の成功事例です。横展開とも言います。
社内なら外部環境や内部環境は同じなので、そのままマネできます。
「当社にはそんな成功事例などない」と言う声が上がるかもしれませんが、大きな成功事例は必要ありません。
例えば、ある商品の売れ行きが伸び悩んでおり、てこ入れしたいとします。
しかし、伸び悩んでいても、多少は売れているのであればそれを成功事例とします。
数ある商品の中から選んで購入した顧客がいるわけですから、これは成功事例であり、以下のような内容を確認します。
1)購入客はどのような属性の顧客で、何に悩んでいたのか(顧客の属性と課題)
2)どのようにその商品を見つけたのか(商品の認知方法)
3)何が決め手となって、その商品を購入したのか(購買決定要因)
4)実際にその商品を購入してどうだったのか(満足度)
1)から4)までが確認できれば、
1) その商品のターゲット顧客を絞り込むことができます。
2) 今後注力すべき広告やプロモーション方法が理解できます。
3) その商品の強みが明確になり、競合商品との差別化策が立てやすくなります。
4) その商品がもたらす効能を広告でアピールできます。
以上の点は、営業部門でも理解しているとは限りません。
どうすればいいかと言うと、その顧客に聞くのが一番です。
他社の成功事例に着目する前に、自社の成功事例を分析して横展開することは、できているようで、意外と多くの企業でできていません。
米澤 裕一 / 合同会社バリューアップ
経営コンサルタントとして独立後、1年目でものづくり補助金で90%の採択実績を残す。勝てる土俵で顧客提供価値を高め、補助金を活用した資金調達やボトルネックの改善によって、200社以上の利益改善に貢献。