会議を見直して会社の生産性を上げる
定例会議の進め方で、その企業の生産性を把握することができます。
生産性の低い会議の典型的な進め方はこんな感じです。
1)会議の場で「問題点の提示」があります。
「商品Aにクレームが頻発しています」「今月は単月で営業赤字になりそう」など、会議出席者に対する事前の案内がなく、会議の場で初めて問題点が共有されます。
2)上長が問題の状況を理解するため、「問題点のヒアリング」を行います。
「なぜそんなクレームが起きてるのか?」「どの程度の赤字になりそうなのか?」など、問題点を明確化にするためのヒアリングが上長から行われます。
当事者が事実情報を掴んでいないと、「その件は調べておきます」と保留されます。
3)問題解決のための討議が始まります。
「商品Aの出荷をすぐに止めるべきか」「来月に向けて新規開拓を強化したらどうか」など、意思決定のための討議が続きます。
生産性の低い会議では、事前に行うべき「問題点の共有」「問題点に関する事実確認」「問題点の解決案の立案」が会議の場で行われるため、長くなります。
それに対して、生産性の高い会議のやり方は、
1) 問題点とそれに関する事実情報を、定例会議の事前に上長や関係者に対して報告します。
2) 問題点に関する上長のヒアリングも会議の事前に行われます。
3) 会議の場では担当部門から、問題点に対する、暫定対策案(当面どうするのか)と恒久対策案(抜本的にどうするのか)が提示され、どの案を採用すべきか討議されます。
このように、生産性の高い会議では意思決定がなされ、合意形成とその後の役割分担などの調整が行われます。
このような会議の違いが起きる要因のひとつに「各部門、各担当者の当事者意識の希薄さ」が挙げられます。
「解決策は上層部が決めて、その指示に従う」という意識が担当者に根付いていると、自分の業務上の問題点について、本気で考え、対策を考える意識が希薄になります。
社長が社員に対して「当事者意識を持て」と言うだけでは効果はありません。社員が当事者意識を持って仕事を進める「仕組み」作りは社長の仕事だからです。
会議のやり方を見直せば会社は変わります。
米澤 裕一 / 合同会社バリューアップ
経営コンサルタントとして独立後、1年目でものづくり補助金で90%の採択実績を残す。勝てる土俵で顧客提供価値を高め、補助金を活用した資金調達やボトルネックの改善によって、200社以上の利益改善に貢献。