購買意思を高める導入事例のポイント
ビジネスの大前提ですが、人は営業されること(売り込み行為)が嫌いです。
売り込み行為とは、顧客ニーズを充分に把握せずにセールスすることです。
例えば、最近多いのが「フォーム営業」と呼ばれている営業スタイルです。これは、企業のホームページにある問い合わせフォームへ営業メールを送る手法です。
事前に対象企業のニーズを把握しているわけではないので、ほとんどが不要な情報です。
人は営業されることは嫌いですが、逆に、好きなこと・欲しいものは何でしょうか?
それは「成果」や「成功」です。
成果や成功に関する情報として、特にBtoBビジネスでは「導入事例」が有効です。
自社の課題解決のために、どこの製品やサービスを導入すべきか迷っている顧客に対して、「自社の製品やサービスの特長」「他社との比較優位性」「成果」などが、コンパクトにまとまっている導入事例は、購買意思決定の参考になります。
わかりづらい導入事例は、「特長」「優位性」「成果」などが、見出しがない文章で、ずらずらと記述されているものです。
見出しがないと、ひと目見た時に伝えるインパクトが弱くなります。
目を引きつける見出しは「キャッチコピー」の役割もあり、重要な要素です。一例として、キーエンスの導入事例をご紹介します。
https://www.keyence.co.jp/ss/products/3d-printers/agilista/example/001.jsp
見出しはこんな感じです。
1.自らの手で検証ができないというジレンマ(=企業の課題)
2.すぐ導入しよう!社長の一声で決まった3Dプリンタの導入(=解決策)
3.キーエンスの3Dプリンタ導入の決め手は「精度」(=他社との比較優位性)
4.キーエンスの3Dプリンタによってもたらされたもの(=成果)
特に、4の成果については、設計不具合による手戻りが60%減と大幅に改善された。ま
た設計のリードタイムも15%削減され、業務効率も向上した。など、定量的に示されているので説得力があります。
自社のHPの導入事例を見直してみましょう
米澤 裕一 / 合同会社バリューアップ
経営コンサルタントとして独立後、1年目でものづくり補助金で90%の採択実績を残す。勝てる土俵で顧客提供価値を高め、補助金を活用した資金調達やボトルネックの改善によって、200社以上の利益改善に貢献。