「仕組み化」という強み
強い会社・儲かる会社とは「仕組み」がある会社であり、新たな「仕組み」を自発的に作れる会社であると思います。
例えば、「仕組み」がある会社では、
・社員が業務上の問題を発見し、放置するとまずいことを上司に報告します。
・そして、その問題を討議する関係者が集まり、解決策を考えます。
・解決策として「業務改善の仕組み」を作り、組織に定着させます。
「仕組み」がしっかりある会社は「再現性」があります。
つまり、Aさんが対応しても、Bさんが対応しても、「仕組み」通りにやることで、同じ結果を得ることができます。
「仕組み化」の反対は「属人化」です。
例えば、業務上の問題を、その人のやり方で解決しようとする。
すると、うまくいく人とうまくいかない人が出てしまい、会社としての品質にバラツキが生じます。
「仕組み」ができていない会社の多くで、管理職が現場仕事に張り付いています。
人がなかなか採用できないなどの理由はあるにせよ、「自分がいなくても会社が回る仕組みが構築できていない」ということになります。
それでは、多くの会社で「仕組み化」が進まない理由はなぜでしょうか?
いくつか理由がありますが、大きなポイントとして、「緊急ではないが重要である、仕組みづくりに時間を割いていないため」と考えます。
・毎日顧客からメールや電話で問い合わせが入ってきます。
・急ぎの見積対応や業者の手配もしなければなりません。
・現場や顧客先でトラブルが発生し、火消しに追われます。
このような緊急事項だけの対応で、日々業務を回していると、日常の中で、「仕組み」を考える時間が確保できません。
時間が確保できないので、結果的に「仕組みづくり」が進みません。
よって、日々の業務の中で、以下のようなルールを定めて、継続的に実行していく必要があります。
・日常業務で気づいた問題点を、社員が自発的に声を上げ、見える化する。
・収集された問題点を定期会議の場などで解決策を考える。
・解決策を組織の中で確実に実行する。
社員からの自発的な問題点の指摘や提案がなければ、自分のやり方で業務を回す「属人化」された組織になりがちで、管理職はいつまでも現場に縛られてしまいます。
管理職は何としても「仕組みづくり」を自部門に根付かせる必要があります。
社員全員が「仕組みづくり」の発想で仕事をすれば、会社の強みになります。
この強みがあれば、管理職があれこれ指示しなくても動く「自走式組織」になります。
米澤 裕一 / 合同会社バリューアップ
経営コンサルタントとして独立後、1年目でものづくり補助金で90%の採択実績を残す。勝てる土俵で顧客提供価値を高め、補助金を活用した資金調達やボトルネックの改善によって、200社以上の利益改善に貢献。