BtoBビジネスで重要な「経済的価値」

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BtoBビジネスで重要な「経済的価値」

顧客に提供する価値は、次の3つから構成されます 機能的価値 感情的価値 経済的価値 1の機能的価値は、文字通り、機能や品質の面で、製品が顧客に提供する価値のことです。 「標準以上の機能を備えた製品」が溢れている現在、この価値だけでは差別化が難く、価格競争にも巻き込まれやすくなります。

BtoBビジネスで重要な「経済的価値」

 

顧客に提供する価値は、次の3つから構成されます。

 

1)機能的価値
2)感情的価値
3)経済的価値

 

1の機能的価値は、文字通り、機能や品質の面で、製品が顧客に提供する価値のことです。
「標準以上の機能を備えた製品」が溢れている現在、この価値だけでは差別化が難く、価格競争にも巻き込まれやすくなります。

 

付加的な価値として重要となるのが、BtoCビジネスにおいては「感情的価値」です。
これは消費者の「感情を揺さぶる価値」で、以前、産直野菜の例でご説明しました。

 

今回は3つめのBtoBビジネスで重要となる「経済的価値」についてです。
BtoBにおける購買決定要因は基本的に課題解決となるため、最終的にはコスト効果が非常に重要となります。

 

この価値は2つに分けられ、ひとつは顧客の「利益を増やす」価値、もう一つは顧客の「コストを下げる」価値です。

 

顧客の「利益を増やす」

まず、顧客の「利益を増やす」価値提案です。
例えば、顧客の製品に組み込むと価値が上がるキーパーツなどを扱っている場合で、「当社のパーツを貴社の製品Aに組み込むと、性能が○%アップして従来よりも単価アップが可能になります」
「当社パーツは〇円ですが、貴社の増益分を考えると充分ペイします」のようなイメージです。

 

顧客の製品Aの市場をよく調査し、増益の理由をしっかり示すことができれば、説得力が増します。

 

顧客の「コストを下げる

次に、顧客の「コストを下げる」価値提案です。
例えば、野菜の皮むきを人手で行っている外食チェーン店に、自動皮むき機を提案する場合、どのように経済的価値を訴求すればいいでしょうか?

 

それには、設備の「導入前」と「導入後」のコスト比較を詳細に行うことが必要です。
導入前のコストは、「何人で何時間かけて皮むきしているか」「人件費はいくらか」を調べれば試算できます。

 

それに対して、設備導入後の人件費(機械に野菜をセットしたり、操作する)を調べて、導入前と導入後を比べれば、直接人件費のコスト効果が比較でき、経済的価値を試算できます。

 

しかし、これでは不充分です。

 

もしかしたら、人がなかなか採用できずに、採用コストがかかっているかもしれません。
また、採用後、ムダなく皮むきできようになるまでの教育コストがかかっているかもしれません。
人のシフト調整に手間がかかり、システムを導入しているかもしれません。
包丁やユニフォームなど備品代もばかにならないかもしれません。

 

以上のようなことは確認しなければわかりません。

 

無視できないコストがかかっている場合は、これも導入前のコストに加えることで、導入前と導入後の比較による経済的価値がより大きくなります。

 

以上のように、経済的価値を訴求するためには、「利益を増やす」提案にしても、「コストを下げる」提案にしても、対象となる顧客業務の詳細な分析が必須です。

 

 

米澤 裕一

米澤 裕一 / 合同会社バリューアップ
経営コンサルタントとして独立後、1年目でものづくり補助金で90%の採択実績を残す。勝てる土俵で顧客提供価値を高め、補助金を活用した資金調達やボトルネックの改善によって、200社以上の利益改善に貢献。

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