【変化をコミット】する重要性
顧客ニーズは「変化」の一言で表せます。
一つは「現状の不の解消」という変化。
例えば、不便、不満、不具合、不足などを解消し、リスクやコストを減らしたいというニーズです。
もう一つは、「現状を更によくする」という変化。
例えば、より美しくなりたい、より儲けたいなど、便益や体験を増やしたいというニーズです。
どちらも、「現状」から「あるべき姿」に変化したいというニーズです。
これを数十秒のCMで伝えているのがライザップですが、ライザップの機能(スペック)は、「低糖質食事法」「マンツーマンの筋トレ」「トレーナーによるメンタルフォロー」です。
しかし、CMでは機能(スペック)については一切触れていません。
真剣にダイエットしたい人にとっては、目指す期間内でダイエットできるかどうか(=変化)に興味があるのであって、機能にはあまり興味がありません。
でも、多くの営業マンは自社の製品・サービスの機能ばかり伝えたがります。
私は会社員時代、IT系の営業をやってましたが、今思うと機能ばかり語っていた記憶があります。
「当社の製品はこんなことができます」「こんな機能があるのは当社のみです」などなど・・・
「当社のこの製品を使うと、お客様の現状の業務はこう改善され、こうなります」というように、自社の製品を使用することで、顧客が得られる変化をしっかり訴求していたら、「もっと売れていただろうに」と思います。
競合に比べて当社は、お客様がお望みの変化を提供できますということをうまく伝えることができれば、必ずその商品・サービスの売れ行きはよくなります。
そして、その変化をコミットすれば、さらに顧客を獲得しやすくなります。
ライザップでは、「30日間コース代金全額返金保証制度」をとっており、プログラム開始から30日間はいかなる理由でも納得できないときは、コース代金を全額返金するとしています。
このような制度で、商品・サービスの利用を考えている顧客の不安やリスクを取り除くことを、マーケティング用語で「リスクリバーサル」といいます。
購買に関する顧客のリスクを反転(リバース)することです。
リスクリバーサルは非常に重要です。特に高額な商品・サービスで効果があります。次回はリスクリバーサルの実際の例を挙げて、その効果を考えます。
米澤 裕一 / 合同会社バリューアップ
経営コンサルタントとして独立後、1年目でものづくり補助金で90%の採択実績を残す。勝てる土俵で顧客提供価値を高め、補助金を活用した資金調達やボトルネックの改善によって、200社以上の利益改善に貢献。