「利幅」か、それとも「回転」か

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「利幅」か、それとも「回転」か

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「利幅」か、それとも「回転」か

儲け方は、「利幅」で儲けるか、「回転」で儲けるか、の2つに分けられます。

 

商売の収益性は以下の式で表せます。
「売上高経常利益率」が高いビジネスは「利幅」で儲ける型で、
「総資本回転率」が高いビジネスは「回転」で儲ける型です。

 

 

 経常利益            経常利益           売上高 
 ――――      =    ―――――    ×   ―――――
  総資本             売上高            総資本 
 (総資本経常利益率)   (売上高経常利益率)    (総資本回転率)

 

 

回転率を高めるか、あるいは利益率を高めれば、収益性は高まります。

 

つまり、会社の持続的成長のためには、「効率的に経営資源の利用を図る」か、
「価値の高いものを世の中に提供する」か、が必要ということになります。

 

例えば、立ち食いそば屋は「回転」で儲けていますし、
座席のそば屋は、それと比較すると「利幅」で儲けています。

 

住宅販売では、建売住宅は「回転」、注文住宅はそれと比較すると「利幅」。
紳士服販売では、つるしのスーツは「回転」、オーダースーツはそれと比較すると「利幅」。

 

「利幅」で儲ける型で利益率が悪化、あるいは「回転」で儲ける型で回転率が悪化すると、
自社の「儲け方」が崩れているということになります。

 

今回は利益率について考えます。
商品やサービスの品質のよさ、顧客に提供している利便性など、
他社とは違う「差別化された価値」が利益率の違いになって現れます。

 

利益率が高いということは、高くてもその会社から買おうとする顧客がいるということです。
顧客に提供した価値の対価が利益なので、
その会社はそれだけ社会に必要とされ、存在価値があるということになります。

 

もし、利益率が低下傾向であれば、以下をチェックする必要があります。

 

1.値引き要求などによって価格が落ちていないか
2.主要顧客の構成が変わっていないか
3.儲からない商品の売上比率が高くなっていないか
4.儲かる商品の売上比率が減っていないか
5.材料・外注など仕入単価が上昇し、販売価格へ転嫁ができていないのではないか

 

様々な資源高、材料高に見舞われている昨今、特に5は注意です。
次回は、回転率について考えます。

 

 

米澤 裕一

米澤 裕一 / 合同会社バリューアップ
経営コンサルタントとして独立後、1年目でものづくり補助金で90%の採択実績を残す。勝てる土俵で顧客提供価値を高め、補助金を活用した資金調達やボトルネックの改善によって、200社以上の利益改善に貢献。

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